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『生活習慣病』の発病プロセス − 原因と結果
『生活習慣病』は、発症する部位や臓器、症状の違いなどによって、医学的には治療法が異なるために、いくつもの異なる病名がつけられ異なる病気のように分類されています。
ところが下図に示すとおり、生活習慣病は、自覚症状のない不健康な症状の段階から重篤な病症を発病するまでには共通のプロセスがあり、『生活習慣病』というその名が示すとおり、
その引き金となる原因は、食生活や運動習慣などの生活習慣にあると考えられています。
それ故、まず不健康な症状にならないように生活習慣を改善することが最も基本的な予防法となります。

代表的な生活習慣病の発病プロセス

『生活習慣病』の予防とは、“血液とその循環の正常化”!
一般に、『生活習慣病』の予防法・治療法として、
  • 食事療法 −− 過剰な糖質・脂質の制限、栄養バランスの適正化
  • 運動療法 −− 体内に蓄積された過剰栄養素の消費、血行促進、抗酸化力の向上
  • 生活習慣の改善 −− 飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足など有害習慣の改善
などの必要性が叫ばれていますが、

確かな予防を心がけるためには、食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣上の問題によって、どのような不健康な症状が引き起こされるのかを知っておかなければなりません。
別の言い方をすると、生活習慣に影響され『生活習慣病』を引き起こす危険因子とは何なのかを理解しておかなければなりません。

上述したとおり、生活習慣病は発症するまでには共通のプロセスがあります。なぜ、同じようなプロセスを経て重篤な病症にまで進行するのかを考えてみると、
『生活習慣病』とは、不適切な生活習慣や加齢が引き起こす血液とその循環の劣化が原因となって、体を形づくる60兆個にもなる『細胞』が少しづつ元気を失い、やがて臓器レベルで死滅したり変異したりした結果として発症する病気
だと考えられます。
別の見方をすると、生活習慣病予防の第一の目的は、食生活や運動習慣の改善により血液とその循環を改善し細胞を活性化することだと言えるのです。
後ほど詳述しますが、生活習慣病の初期症状である『高血圧』、『高脂血症』、『糖尿病』は、すべて不健康な血液状態をあらわす病症です。これらの症状は、脂質や糖質などの過剰なエネルギー(カロリー)摂取とその消費不足(運動不足)が主な原因です。
それ故、食事療法によってエネルギー(カロリー)の摂取を控え、運動療法によって消費を増やすとともに血行を良くして、体内の余分な脂肪や血液中の過剰な糖質や脂質を低減するとともに、細胞の活力を回復させることを目的として行われます。

「“水”は、自然治癒力の要」で、生理活動の基本である『吸収->循環->浄化->排泄』について説明しているとおり、血液とその循環の劣化が細胞の活力を奪い、やがて臓器レベルの重篤な病症へと進行していきます。つまり、これらの不健康な症状である『高血圧』、『高脂血症』、『糖尿病』は、この生理活動の基本を阻害する症状だと言えるのです。
全身を流れる血液
「人体の不思議展」より
また、東洋医学(日本では主に中国医学を意味する)では、生命の根源的なエネルギーとしての「気」、血液を意味する「血」、リンパ液、細胞液などの体液を意味する「水」、これらのバランスとその流れを重要視し、病の原因は、「気」、「血」、「水」の循環が滞ることにあるととらえています。
これらの「気」、「血」、「水」の流れを良くして、私たちの体に元々備わっている『自然治癒力』に働きかけ病を癒すというのが、東洋医学的な考え方です。

すなわち、『高血圧』、『高脂血症』、『糖尿病』などの不健康な症状は、まさに「血」や「水」の流れを阻害し、『自然治癒力』を低下させる症状に他ならないのです。


脳卒中や虚血性心疾患は、『不健康な血液』が発症原因
ひと昔前、成人病という呼び方が一般的だったころ、中高年の方々が、
興奮したり激しい運動をした後に、突然倒れたりすると「“脳卒中”で倒れた!」とか、
突然胸の痛みや苦しみを訴えたりすると「“心臓発作”が起こった!」などと言われていました。

『成人病』や『脳卒中』、『心臓発作』などの呼び名は、その発病原因がはっきりとしていなかったころの名残です。
これらの脳や心臓で起こる病気は、ガンについで日本人の死亡原因の2位と3位を占めるほど危険な病であり、発症時に迅速かつ的確な診断と治療(対症療法)が必要とされるため、医学の分野では病状に応じて様々な病名がつけられています。

ところが、これらの心臓疾患や脳血管疾患は、死亡原因ではあっても発病原因ではありません。脳や心臓でおこる病気の根本的な発症の原因は、『不健康な血液および血管』にあり、予防法や健康法を考える上においては、「脳」や「心臓」といった患部を意識するよりも、日常生活の中で『血液』や『血管』を健康に保つことを心がけることがとても大切になります。

原因 結果

それでは、“生活習慣病”の中でも重篤な症状を示す脳卒中(脳血管疾患)心臓発作(虚血性心疾患)の発症過程をたどりながら、その原因が『血液』にあることについて考えてみましょう。

“脳卒中”は、脳内の血流障害によって引き起こされる
まず、“脳卒中”ですが、これは脳障害によって突然倒れることを意味するもので正式な病名ではありません。
正式な病名としては、症状に応じて『脳梗塞(のうこうそく)』、『脳溢血(のういっけつ)、脳出血』、『くも膜下出血』などいくつもありますが、いずれも、その原因は脳内の血管が詰まるか、血管が破裂して血液が脳内に溢れ出すかの脳血管疾患であって、本質的には『血管や血液の病気』と言えます。


脳の重さは、体重の約2%に過ぎませんが、脳に送られる血液量は、心臓から送り出される血液のおよそ15%にもなります。
これは、脳の細胞が活動するためには、多くの酸素と栄養を必要とするからで、脳を充分に働かせるためには、常に脳の隅々まで充分な血液が行きわたっていなければならないということを意味しています。

脳血管がつまったり破裂して、脳内の血流に障害が発生すると、脳細胞が死滅し脳の機能が著しく低下します。その結果、言語障害や半身不随、麻痺、意識障害などの症状が出たり、
重症の場合は生命が危険にさらされます。
例え、一命を取りとめても壊死した脳細胞は蘇生せず後遺症が残り、寝たきりになったり認知症になることもあるため、発症したときは血流障害を取り除くなどの早急な治療が必要となります。

さらに、近年、医療技術の進歩による脳内部のMRI断層写真の分析から、小規模な部分的脳梗塞『ラクナ梗塞:隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)』が起こることが確認されています。
これは、40歳代あたりから脳内部の毛細血管が小さな血栓によって詰まり、ごく小規模な脳細胞の壊死が部分的に発生することです。
自覚症状がなくても老化とともに徐々に進行し、ひどくなると認知症の原因になると言われています。
ビデオ動画 − 隠れ脳梗塞

“虚血性心疾患”は、心筋への血流障害が原因
心臓の病気も、ひと昔前までは一般的に『心臓発作』とか、『心不全』などの曖昧な呼び方がされていましたが、現在では、心臓の冠状動脈が閉塞することが原因であることがわかり、
正式な病名としては『心筋梗塞』、あるいは『狭心症』と呼ばれています。
名前こそ違え、いずれの病気も、『虚血性心疾患』という総称が示すとおり、心臓血管に障害が発生し、虚血状態になった心筋に充分な酸素が送られなくなり、急に痛みや苦しみを生ずることです。
これは余談ですが、昔の『心臓発作』という呼び名の名残からか、『シンキンコウソク(心筋梗塞)』という響きから、興奮したときに心臓の筋肉が痙攣を起こして急に動かなくなる神経性の心臓病だと勘違いしておられる方が時々おられますが、決して神経が原因の発作ではありません。


心臓をおおう冠状動脈には、心臓から送り出される血液のおよそ5%の血液が流れています。その動脈が、『血栓』によって詰まり、突然、血流が途絶えた場合は、『心筋梗塞』。動脈硬化によって血管が叙々に細くなり、充分な血液が流れなくなった場合は、『狭心症』と分類されています。
『心筋梗塞』は、冠状動脈が完全に閉塞され、激しい胸の痛みが突然起こります。
血液がほとんど送られず、心筋細胞が破壊されて壊死の状態にまでなると不整脈が起こり急死することが多々あります。
『狭心症』は、心臓の冠状動脈が動脈硬化によって狭窄している場合に、激しい運動や精神的ストレス、興奮、入浴などによって、心拍数が増え酸素の必要量が増えても、充分な血液が心筋細胞に供給されず、心臓が虚血状態となって胸苦しさや痛みを感じる症状です(労作狭心症)。
狭心症が悪化すると、心筋梗塞に進んで急死することもあります。

血液が健康であれば、脳卒中も心臓発作も予防できる!
「脳梗塞」や「脳出血」、「虚血性心疾患」などは、結果であって原因ではありません。
脳や心臓の障害は、その発症過程などによって、いろいろ分類されてはいますが、その根本原因は、血液が不健康だと、毛細血管を詰まらせたり、動脈硬化になって血管を細くする、あるいは、脆くし血栓をつくるために、脳内や心筋内で血流障害が発生することです。
結果に対しては『治療』が必要となりますが、原因に対しては『予防』が必要になります。
つまり、動脈硬化にならず血管が老化しないようなサラサラ健康な血液状態と正常な血液循環を維持することが、これらの脳や心臓の病気を予防する最善の方法だと言えます。

ところが、これらの病気を発症して病院に運びこまれ緊急治療を受ける際には、脳卒中の疾患さんは『脳外科』へ、心臓疾患の患者さんは『心臓外科』か、場合によっては『循環器化』と異なる医局に運び込まれてしまいます。また、厚生労働省の「人口動態統計」の死因としては、「心疾患」と「脳血管疾患」として別の病気として扱われています。
それ故、発病した臓器や死亡原因となった病名を基準に「それぞれの病気は異なるものだ。」と錯覚してしまい、それぞれの病気の予防法も異なっていると思い込んでいるのではないでしょうか? 

私たちの身体は、60兆個からなる細胞によって成り立ち、すべての細胞は血液によって酸素や栄養が運ばれ、代謝物や老廃物がスムーズに排泄されることによって生かされています。
とりわけ、脳と心臓は、生命を左右する重要な臓器です。例え、わずかな時間の傷害であっても命を落とす確率が高いため、脳疾患や心臓疾患は特に注目されます。

しかし、脳や心臓ばかりでなく、すべての臓器が細胞によって成立ち、それぞれの役割を果たしています。いずれの臓器も健康な血液が充分に供給されなければ、組織を構成する細胞が活力を失い、自覚症状のないままに臓器そのものの機能が徐々に衰え、やがて重篤な症状となって発病します

また、最新の免疫学の研究では、不健康なドロドロ血液が原因で血液中の免疫細胞(白血球)や酵素の活性が失われ、本来排除されるべき初期段階(イニシエーション期)のガン細胞を排除できないまま、健診などで発見される大きさになるまでの数年間にわたってガン細胞が増殖してしまうことが、ガンによる死者を増やしている大きな要因であると言われており、不健康なドロドロ血液の典型である糖尿病患者のガン併発の危険性は、3倍にもなることが分かっています。


このように不健康な血液が発症の原因となっている多くの病が、今日『生活習慣病』と呼ばれる病症です。つまり、東洋医学で言うところの「『血』の流れの滞りが、病の原因」ということになる訳です。

生活習慣病を予防するためには、身体の隅々の毛細血管まで無理なく行き渡る健康なサラサラ血液と、血栓ができないしなやかな血管を常に保ち、いつまでもスムーズな血液の循環を維持することが、最も基本的で大切な予防法となります。
例え、どんなに良い薬があったとしても、どんなに高価な健康サプリメントを飲んだとしても、
スムーズな血液循環が保たれていなければ、体の隅々まで行き渡らず、良薬も、高価なサプリメントも無駄に終わってしまいます。

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